リーダーの「仮面」
会社のマネジメントはリーダーの言動ですべて決まります。
優秀なプレーヤーはリーダーになりますが、
優秀なプレーヤーが優秀なリーダーになるとは限りません
プレーヤーからリーダーになるタイミングは非常に重要な時期です。
ここでうまくやれるかで人生で大きな差が開いていきます。
まず、注意すべき点は
「優秀なプレーヤーほどリーダーとして失敗するリスクを抱えている」
手取り足取り教える、部下をついて来させようとする人。
ここで、プレーヤーのまま生きていくからいい。と言う人がいますが、プレーヤーとしての能力は30代をピークとして落ちていきます。
早く「手足」の機能を経て「神経」の機能に上がっていかないと歳をとって大変なことになります。
さらに、本書の結論は
「部下を成長させ、チームの成果を最大化させること」
ここでの成長とは結果と評価のギャップを埋めること。後ほど説明します。
尊敬されたい、すごいと思われたいは捨てましょう。
そのために仮面を被る。
仮面とはペルソナと呼ばれ、悪いものではない。
家族に見せる顔、会社の仲間に見せる顔、学生時代の同期に見せる顔、違って当たり前、
少し大きな話になりますが、会社が変わらないのは、一時的な対処しかしていないから。
それぞれのリーダーが小さなズレに気付き、軸を持ち、いいリーダーになってチームの成果を最大化させる必要があります。
学生時代は「空気を読むこと」を勉強させられました。
一方、組織のマネジメントは国語的な行間を読むものではなく、数学的な公式がある。
やれば誰でもできる。
そのためには感情を横に置くことが大事。
冷たく感じるかもしれないが、成果が出なくてスキルが身に付かず、他の会社や仕事で通用しなかったらそっちの方がよっぽど冷たい。
感情を出していいのは「結果が出た後」
感動するのはすごく頑張って結果が出た時。
小さな事で感情を上げるといつか必ず下がる。
雰囲気が良くなるから成果が出るのではなく、
成果が出るから雰囲気がよくなる。
諸悪の根源はモチベーションという言葉
モチベーションを上げることではなく成長させることがリーダーの役割。
そのために5つのポイントを抑えましょう。
ルール、位置、利益、結果、成長
ルール1:ルール
言語化された誰でも守れるルールを作る。
部下によってルールを変えない
間違っていれば潔く認め、ルールを再設定する。
メリットは、ルールによってストレスが軽減されること。
仲間意識・組織に属している自覚ができること、平等に感じること。
人によってルールを変えると不公平だと感じますよね。
人は他人と比べるもの。だから成長もできるし、逆にストレスやネガティブな感情になる。
誰でも守れる姿勢のルールを作ることによって不自由さを取り除き、不公平感も取り除き、仕事に集中できる環境を整える。まさに交通ルールのようなもの。
感想:これはどの業種でもどの仕事でも共通されるものだと感じています
誰がいつまでにどのようなことをするのか。明確にしましょう。
例えば、気づいた人が掃除しましょう。これは最悪です。〇〇さんが毎週金曜日帰宅する18:00までにオフィスを掃除してください。が正しいルールです。
また、ルールは完璧なものは作れません。間違っていたりチームに即して無ければ潔く変えましょう。
新しいことをすると反発があります。本書ではよく、リーダーは孤独と書かれていますが、それでいいとのことです。
ルール2:位置
対等ではなく上下の立場からコミュニケーションをとる
未来を見据えて判断する
仕事は依頼ではなく言い切りで。
報告を受けたら機械的に対応。
ピラミッド組織を再評価しよう。決定者が明確で責任の所在がはっきりしている。
学校のように「みんな頑張りましょう」ではなく、利害が一致している塾講師がイメージに近いです。
塾講師は生徒を合格させることで評価される。生徒も合格したい。
だから宿題をしっかりやらせるし、宿題の内容も無駄がないかチェックする(はず)
ピラミッド組織って悪く書かれることが多いですが、私は賛成です。
メリット:意思決定が早い。多くのことを考えなくていいので部下も上司も目の前のものに集中しやすい。
デメリット:上司の判断が甘いと大きなミスになる。提案が出てきづらい。
筆者は「社員は家族ではなく機能です」と答えたのとのこと。恐ろしい・・・ですね。笑
塾はみんなが同じ評価軸で努力をしているので、褒めがわかりやすい。
「今回偏差値の上がり幅が多かったのが〇〇君と〇〇さん。よく頑張った。」
「なんで宿題やってこなかったんだ」
しかし会社は塾や学校とは違う。ここが難しい。
だから筆者は「褒めるな。結果が上がったら機械的に接しろ」と語っているのだと推測する。
ルール3:利益
人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす
人間が集団で動くのマンモスを倒すため
本当についていきたいのは利益をもたらしてくれる人
数字の事実を拾う
組織は競争状態が起こっている状況が一番良いと本書では語られています。
では競争状態を維持するにはどうすればいいのか。
それがポイントに書かれている「数字の事実をひろう」ということ。
その競争状態で個人が努力すれば結果もついてくる。
塾で言えば、合格させてくれた先生は大好きになるだろう。
結局後で厳しかったが、あの先生がいたから合格できたと思う。そう。
本当についていきたいのは、利益をもたらしてくれる人
ルール4:結果
プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る
褒められて伸びるタイプをつくるな
プロセスではなく結果だけで評価。褒めれば伸びるは子育て理論。
いい返事に惑わされるな。日報や報告会議を使え
目標と結果をつなげて評価
他者の評価からは誰も逃げられない
他者の評価からは誰からも逃げられない。
評価は他者評価と自己評価
自己評価が蔓延している。
プロセスを評価してはいけない
褒めれば伸びるは子育て理論であり、会社には通用しない。
小学生がいい点数を取った。頭がいいからできたね!と能力を褒めたパターンと頑張ったからできたね!とプロセスを褒めたパターンがあった。その際、後者の方が高い点を維持できた。という研究がある。だから、子育てはプロセス重視
一方で、仕事と勉強は本質的にことなる。目に見える成果(報酬)を受け取っている点
だから結果、能力を評価すべきです。残業アピールは評価してはいけない。
プロセス管理を省くと労働時間は減る。
ルール5:成長
目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ
結果と評価のギャップを埋めることが成長
組織適応能力と能力の重要性は1:1
「あなたが失敗しても責任はリーダーである私が取る」
結果と評価のギャップを埋めるのが成長
まずは一度やらせてみる。そうすれば見えるものがあると伝える。
あなたがやって失敗しても、責任は上司である私が取る。思い切ってやってください。
と伝えよう。
組織適応能力と通常の能力は両方必要だと本書では語られており、
行動責任は部下に、結果責任は上司にあるとされている。
最後に識学テストと称して本書から抜粋します。
識学テスト
質問1 いい人になろうとしてないか?
フレンドリーがいい人ではない。人は他人と比べる生き物。平等性を保つには距離を取ること
質問2 待つことを我慢できるか?
結果が出るまでタイムラグがある。マネジメントは長期戦。士気を上げるやり方は中毒性がある。〇〇会をやって待てずに士気を上げる組織があるが、恒例行事になり、形骸化し、嫌々参加する会になる。
質問3 部下と競争してないか?
過去のやり方を押しつけて部下と競っては行けない。
意思決定に必要な情報だけを取ればいい。
質問4 マネジメントを優先しているか?
プレイングマネージャーで、自分の数字が悪くてもきちんと部下を指導すること。
マネージャーに専念すること。
質問5 辞めないかどうかを気にしすぎていないか?
辞める辞めないにコミットすべきではない。
会社が成長して、自己成長を実感していれば辞めないはず。
辞めさせないために2年頑張れば異動させてあげるとか、「成長以外のエサ」を与えるのは絶対にNG
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。