はじめに
今回は55社の大企業が集まるONE JAPANという団体の著書、
「大企業ハック大全」という本を要約していきます。
- 大企業にいながらなかなか思い通りにいかない
- 大企業の人がどんなことを考えているかわからない
という方は是非最後まで見ていってください。
大企業メリット
- 安定していて社会的信用も大きい
- 個人や中小企業には達成できない影響力の大きい仕事ができそう
- 社内資産が豊富
- 看板最強!
ローンを借りる時、営業に行くとき、公官庁と話すとき、友達に話すとき、社名を出したら「おお!」
と思われますよね。
Youtuberやベンチャーの社長も大企業社員より稼いでいても信頼は得られにくいものです。
むかしはそんな大企業の言うことをしっかり聞いて、先人についていけばよかったです。
しかしいまはそのままでよいのだろうか
大企業デメリット
「内向き思考」
社外を見ようとしない。「うちの会社は特別だから」という言葉が横行。
「縦割り文化」
部・本部・事業本部ごとに大きな壁がある縦割り文化。
上位者による利害関係、人間関係による組織分断などダークな部分があるのも事実。
「一緒にやればいいじゃん」という仕事もトップの仲が悪いのでできない。なんてことも。
「スピード欠如」
ベンチャーなら、社長がOKすればOK。
大企業は課長、部長、本部長、事業本部長、執行役員、取締役、CEO・・・
物事を決める決裁者が複数いますよね。
権限移譲できているものはいいけど、「新規」的なものは中間管理職が判断できないケースも多い。
「同質化」
同じようなタイプの人間がたくさんいるため視野が狭くなっている。。
「仮説検証不足」
リスクを考えすぎる。。
ONE JAPAN
ONE JAPANという組織では大企業同士が結びつくことで、大企業病というネガティブな面をまずは認識し、補い合い、そして社内資産というメリットをうまく使えるようにする「ハック」が溜まっています。
- 年に1度の大きなイベントを開催
- 定例会での意見交換
- その他有志同士の協働等
今回本書では44のハックが紹介されていますが、
私の中でも重要だと思う3つのハックについてご紹介していきます。
ご興味がある方は是非本書を手に取っていただきたいと思います。
①本気プレゼン
大企業ではリスクの読めない新しいものへの投資を避けがちです。
そんな「挑戦」に対して少し抵抗感を感じている決裁者を動かすためにどんなことをすればよいのか。
そこで本書で紹介されたのが、本気プレゼン。
例えば日本郵便では社長室でドローンを実演したり、
NTTコミュニケーションズではサービスを実際に使っているような「えもい動画」を作成したり
プロトタイプをつくったり。
プレゼンに力を注ぐことは無意味だという考え方もあるかもしれませんが、
決裁者を動かすには「プレゼン・説得に力を注ぐべし」というのが本書で紹介されていました。
さらにプレゼンの話し方にも気を使っているそうです。
トヨタ自動車のメンバーは「とげを抜く」ということを意識しているそうです。
とげを抜くとは、相手に伝わる言葉に置き換えることです。
決裁者が聞きなれない言葉を使わない。決裁者が話した言葉を使う。などです。
プレゼンを最後まで聞いてくれないケースの大半はこの「とげ」を抜く作業を怠ったから。
決裁者のことを知らなければ決裁者をよく知る人に話を聞いてもらったり
決裁者が参加していた議事録を見たり、と、できることはあるはずです。
これだから大企業は・・・と嘆くのは簡単。
でもBIGな決裁者を納得させられれば、大きな影響力を与える仕事ができるはずです。
②ボーラー心理
新規事業とか何か新しいことを始めた。とか、開拓者・リーダーってかっこよく見えますよね。
ただ、大企業で活躍されている方々はみなそういうタイプかと思えば、全然そんなことはありません。
ボーラー心理の「ボーラー」というのはテニスでボールを渡す人。そのままですね。
ただボールを渡すだけじゃん。と思っているとそんな簡単な仕事じゃない。
息が上がっているので敢えて時間をかけてボールを渡す。
リズムが悪いから敢えて時間を空ける、逆を言えばリズムがいいときはどんどんボールを渡すなど、
ボールを渡すだけでも色々考えることはあるそうです。
リーダータイプではない。でも会社と人が好き。なんて人は是非このボーラー心理を意識して、
社内の人と接してみてください。
内容を整理しながら話を聞いてあげたり、相手が必要としていることを読み解きながらアクションしてあげるだけでも社内に良い空気が流れ、必要とされる人財になり、いつのまにかリーダーに欠かせない人財になったり、周りから頼られる存在になるかもしれません。
また、セカンドペンギンも紹介されていました。真っ先に飛び込んでいくファーストペンギンではなく、それを追うセカンドペンギン。
リーダータイプがぐいぐい引っ張っても周りがついてこないという経験、皆様にもあると思います。
そんな時、心が頑なに閉じている状態を解きほぐす役割がいれば周りの反応も違います。まずは自分を知ること。そしてそれぞれの長所を活かせば必ず存在意義を発揮することはできます。ボーラーやセカンドペンギンがいなければ必ずうまくいきません。リーダータイプじゃないから駄目だと思っている方へ、ボーラーの存在価値はとても高いことが本書を読んだ感じた大きなポイント2つ目でした。
③プライベートプロトタイプ
制約の多い大企業社員。新しいことを始めるにしても予算が無い時間がない人がいない。
なんてこともしばしば。若手ならなおさら。そんな時にどのようにアプローチすればよいのか。
その答えの一つがプライベートプロトタイプ。
勤務時間外も含めたプライベートな時間にプロトタイプを作り
一定の完成度を持った状態で社内に持ち込むという方法。
リソースは社内から与えられるものではない。
よく考えれば、リスクの読めない新しいものに投資したがらない大企業が、
リソースを提供してくれるわけはありません。
優秀な人が多いからこそ、判断できないから年功でチャンスが与えられていく。そんなの待ってても仕方ありません。自分のリソースを使い、まずはスモールウィンを作っていく。
決裁者にとって、「リスクの読めないもの」から「ある程度自分でも説明できる」という状態に持っていければ決裁者や上司が味方になってくれて進めやすくなるかもしれません。
さいごに
昨今ベンチャー等にスポットが当たることもおおいですが、大企業社員の皆様は影響力も大きく社会的責任も大きいです。目の前の仕事をこなすだけでは未来はありません。
ONE JAPANでは、辞めるか・染まるか・変えるか という言葉がよく出てきます。
変えていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。