THE TEAM 5つの法則 [ 麻野耕司 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2021/6/6時点)
偉大なチームに必要なのは「リーダー」ではなく「法則」だ
チームって生まれてから今までずっとありますよね。
チームを率いた経験って、やってみないとわからない事も多い。
多くの壁と多くの人のタイプに触れることでチームをよりよくできる。
みんなの意見を取り入れて進めることがいい。そう思ってこの本を手に取りました。
5つの法則について
最初は以下のように思っていました。
- 目標を確実に達成するのが良いチーム
- 多様なメンバーがいるチームが良いチーム
- コミュニケーションが多ければ多いほど良い
- 話し合って決めるチームが良いチーム
- リーダーが情熱を持ってメンバーに語りかけるのが良い
しかし、本書では必ずしもこれが正しいとは言えないというのです。
ほんと?全部正しいやろ。
最初は全く理解できませんでした。しかし、本書を読んでいくと、リーダーではなく法則が大事なのだと
ある程度理解して来ました。
早速その法則を見ていきましょう。
A:AIMの法則
まず、チームに必要なのは「共通の目的」である。
部活なら全国大会出場とか決めますよね。こういう共通の目的がないものをグループと言います。
「俺は、別に所属してれば良いわ。」「楽しくやれれば良いわ。」などはまさにグループ
「目標を確実に達成するのが良いチームだ」は誤解
具体例を挙げていきますが、「朝から今まで赤いものはいくつありましたか?」
これに答えられる人は少ないですよね。
しかし、「今日赤いものがいくつあるか意識して過ごして下さい」と言われれば
目に入ってくるようになりますよね。
これをカラーバス効果といいます。
つまり、目標を適切に設定するのがいいチームである。ということになります。
そこで設定すべき目標設定は以下の3種類があります。
- 意義目標(例:優秀な営業マンになる)
- 成果目標(例:10件契約とる)
- 行動目標(例:営業100件回る)
意義目標を設定するとブレイクスルーが起きやすくなりますが、アクションは分かりづらいですよね。
例えば、優秀な営業マンになるには、別に件数を回るより、サイトを作ってSNSで広報して、動画作成して
分かりやすく多くの人にリーチしよう。→爆発的に有名になり、社内外共に優秀な営業マンになれる。
一方、優秀な営業マンってどうやったらなれるの??とアクションに移せない人も多いですよね。
かといって行動目標ばかり設定していても仕事がつまらない、チームの成果はあまり出ないことは
想像どおりです。
本書では「意義目標がなければ作業と数字の奴隷になる」と太字で書かれていました。
B:Boardingの法則
「なにがやるか」 が決まれば 「誰とやるか」 が大事になります。
チームには以下の四つのタイプがあるそうです。
環境の変化度合い高い | 環境の変化度合い低い | |
人材の連携度合い高い | サッカー型 | 野球型 |
人材の連携度合い低い | 柔道団体戦型 | 駅伝型 |
サッカー型:例)スマホアプリの開発チーム
野球型:例)飲食業の店舗スタッフチーム
柔道団体戦型:例)生命保険の営業チーム
駅伝型:例)メーカーの工場の生産チーム
よく、「チームには多様性が必要だ」という誤解がありますが、
人材の連携度合いが小さければ似たタイプの能力を持ったメンバーを集めたほうがいい。
確かに、駅伝の人は基本的に走るのが得意で、長距離が得意な人が向いてますよね。
こういう人を集めたほうが絶対強い。
(細かく言えば、登りに強い人・・などありますが、ここではもう少しマクロな視点で)
こういうチームは均質なメンバーがいるチームがいいチームだと言えるでしょう。
C:Communicationの法則
実はチームのコミュニケーションは少ないほうがいい
これはリーダーの「仮面」でも紹介しましたが、本当に大事な考え方だと思います。
ルールはある程度必要。特に大学のサークルにありがちな考え方です。
しかし、ある程度ルールがあるほうが自由にできます。
チームのコミュニケーションは少ないほうがいいと考えるほうが良いです。
そのために書き物はしっかりと考えて書き、ルールを設定し、それを見てみんなが動く。
イレギュラーなものだけコミュニケーションする。これがいいですね。
しかし、ルールの設定粒度を細かくしすぎると詰まらなくなります。
先ほどの行動目標のように、ルールの奴隷になります。
また、ルールの設定粒度はチームによって異なります。
野球型はルールが多いほうがいいですし、柔道団体戦の生命保険のチームはルールが少ないほうが良い。
確かに野球はルールが細かいですよね。柔道はある程度自由度があります。
さらにチームによって、リーダーが決めたほうが良いか、メンバーが決めたほうが良いかも異なります。
野球は監督が基本全てを指示。柔道団体戦はほぼ指示を出しません。
このCommunicationの章は「チームの種類ごとにコミュニケーションの仕方が異なる」ということがポイントです。
自分のチームが何型なのかを考え、コミュニケーションやルールを設定していくことが大事ですね。
コミュニケーションの上で、禁句があります。それが、
どうせ・しょせん・やっぱり です。
これらがアイディアを殺していきます。まずは自分が気をつけることから。
D:Decisionの法則
誰も教えてくれない意思決定の正しい方法
独裁 vs 多数決 vs 合議
みんなで話し合って決めるのが良いチーム。それは正しいのか。
これはすごく理解しやすくて、独裁はとにかく早いですよね。名前に棘があるだけで、
独裁(トップダウン)はある程度必要です。だってスピードが早いから。
私も社会人になって数年して、「どちらでもいいこと」の多さにびっくりしました。
どちらでもいいことに対してダラダラ議論しても仕方ないです。こういうのが生産性を生まない
話し合いなのでしょう。
誰かがAと決めてそれに従う。一方話したほうがいいことに集中する、選択と集中です。
ただ納得感は合議の方があります。そこはしっかりバランスを持って
「判断の手段の判断」が必要でしょう。
本書では時間がかかる合議をいかにスピーディに済ませるかのヒントが書いてありますのでぜひ。
E:Engagementの法則
プロはモチベーションに左右されない。果たしてそうなのか。
本書ではチーム員全員がモチベーションに左右されると書かれています。
ではまず、モチベーションを上げるために理解すべきエンゲージメントの4Pを理解しましょう。
- Philosophy:理念・方針
- Profession:活動・成長
- People:人材・風土
- Privilege:対偶・特権
チームのどこに共感させるか。
これらに分解し、アプローチを考えることは有効です。
自分のチームがどこにエッジが効いているのか。それを考え、そのエッジをアピールしていく。
AさんはPhilosophyに、BさんはPeopleに ではなく、Philosophyが高ければ、それをしっかり
アピールして、エンゲージメントを高める。という手法は有効とのことです。
また、エンゲージメントには方程式があります。
私の調べた限り色々ありますが、本書では以下の通りです。
エンゲージメント=(やりたい)x(やれる)x(やるべき)
やりたい:報酬・目標の魅力
やれる:達成可能性
やるべき:危機感
やっているプロジェクトの魅力が高くて、自分でもこなせそう。
そしてこのプロジェクトは人や環境に必要なことだ。
となれば、エンゲージメントは高いということです。
メンバーのエンゲージメントを高めるには、
高める方程式をチームに埋め込むことだ大切だ
まとめ
Aim:適切な目標設定(意義目標)
Boarding:チームの型を見極める(4つのチーム)
Communication:コミュニケーションを少なくするためのルール作り
Decision:独裁・多数決・合議。判断の手段の判断
Engagement:情熱ではなく、方程式がある。エッジを効かせて浸透させること
以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。
THE TEAM 5つの法則 [ 麻野耕司 ]
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